制度・届出・改正

特定技能「物流倉庫」の試験は何問・何点で合格?いつから受け入れ可能かと企業の準備チェックリスト

公開・内容確認:2026年10月31日 / 運営:AI Mediaz

PR:このページでは、条件を確認できた提携先のアフィリエイト広告を掲載する場合があります。掲載内容は広告報酬で決めていません。

この記事の結論

  • 特定技能「物流倉庫」の評価試験は、日本海事協会が実施。学科30問・実技20問(各40分)で、どちらも6割以上が合格ライン(2026年10月26日付の国交省「試験実施要領」)。
  • 分野の追加は2026年1月23日の閣議決定。告示(6月26日)と運用要領(9月18日)は出そろった一方、受入れ企業が加入必須の「分野別協議会」は2026年10月時点で設立準備中です。
  • 受け入れ企業は今のうちに「倉庫業登録などの対象事業者か」「WMS(倉庫管理システム)を使っているか」「直接雇用できるか」を確認し、候補者の受験と日本語試験の段取りを進めるのが現実的です。
試験は動き出した。協議会はまだ準備中
試験は動き出した。協議会はまだ準備中。図を選ぶと拡大できます。

※この記事は2026年10月31日時点の国土交通省・出入国在留管理庁の公表資料をもとにしています。個別の受入れ可否は、地方出入国在留管理局・国土交通省・登録支援機関などの専門家に確認してください。

特定技能 物流倉庫の試験はどんな内容?

試験の正式名は「物流倉庫分野特定技能1号評価試験」です。国土交通省が2026年10月26日に試験実施要領を公表し、同日から適用されています。

試験の形式・問題数・合格点は?

項目 学科試験 実技試験
方式 CBT(コンピュータ)またはペーパー 図やイラストを使った場面設定の問題(作業計画・判断)
解答形式 多肢選択 多肢選択
試験時間 40分 40分
問題数・満点 30問・30点 20問・20点
合格ライン 18点以上(6割) 12点以上(6割)
言語 日本語(漢字にふりがな付き) 日本語(漢字にふりがな付き)

実技といっても、フォークリフトを実際に動かす試験ではありません。図を見て「どの順番で作業するか」「どう判断するのが安全か」を選ぶ形式です。

何が出題される?

出題範囲は大きく3つで、学科・実技の両方に共通しています。

  1. 保管・荷役:倉庫の種類、パレットやかご車・フォークリフトなどの機器、入庫・出庫・検品・ピッキング・積付け、単位や荷扱い表示
  2. 流通加工:ロケーション管理、検品・包装、加工機器の名称と用途、作業時間や人員の見積もり
  3. 安全衛生:保護具、危険な行動、安全標識、労働災害を防ぐ作業方法、健康管理

現場で日々使う用語が中心なので、候補者に自社の作業手順書や安全掲示を事前に見せておくと、入社後の立ち上がりにもつながります。

誰が受けられる?

実施要領では、受験資格を次のように定めています。

  • 満17歳以上で、日本国籍を持たない人
  • 日本国内で受ける場合は、有効な在留資格を持っていること
  • 法務大臣が告示で定める、退去強制令書の執行に協力しない国の国籍の人は対象外

なお、合格しても在留資格の許可が保証されるわけではない点も明記されています。

物流倉庫管理の評価試験の日程は?どこで申し込む?

実施要領では、試験は国内・海外の両方で、年に複数回程度行うとされています。具体的な日程と会場は、国交省と実施団体の協議で決まるため、要領そのものに日付は書かれていません。

申込みは実施団体の専用ウェブサイトのみで受け付けます。実施団体は一般財団法人日本海事協会で、自動車運送業や造船分野の特定技能試験も担っている団体です。

  • 申込み先:日本海事協会の特定技能試験ポータル(https://sswt-portal.classnk.or.jp/)
  • 国内受験者は、在留資格・在留期限と、在留カード番号または旅券番号の入力が必要
  • 合否は、試験日から1か月以内に専用サイトで公表
  • 「試験結果通知書」は本人の申請・手数料納付で発行。「合格証明書」は雇用契約が決まった後、受入れ企業が申請・手数料を納付して発行
  • 通知書・証明書の有効期間は、試験日から10年

業界紙の報道では、企業・団体が会場を用意する方式とCBT方式の2種類があるとされています。ただ、CBTの開始時期や会場の条件は公式ページで確かめてから計画を立ててください。受験料も実施要領に金額の記載がないため、ポータルで確認が必要です。

特定技能の物流倉庫はいつから?受け入れはもう始まっている?

ここが一番まぎらわしいところです。「分野として決まった」ことと「実際に在留資格を申請できる」ことは別です。

日付 できごと 状況
2026年1月23日 物流倉庫を特定技能・育成就労の対象分野に追加(分野別運用方針の閣議決定) 決定済み
2026年6月26日 上乗せ基準の告示(国交省告示第787号・第788号) 決定済み
2026年8月28日 育成就労の運用要領を公表 決定済み
2026年9月18日 特定技能の運用要領を公表 決定済み
2026年10月26日 特定技能1号評価試験・育成就労評価試験の実施要領を公表 決定済み
未定 分野別協議会の加入受付 国交省は「設立準備中、追って案内」
2027年4月1日 育成就労制度の施行 決定済み

入管庁の運用方針ページでは、2026年10月31日時点でも物流倉庫に「省令等の準備が整い次第受入れが可能」という注記が付いています。さらに運用要領では、受入れ企業は在留資格の申請前に協議会へ加入することが求められており、申請書類にも協議会の構成員であることの証明書が入っています。

協議会の受付が始まらないと申請書類がそろわないため、今は「試験と要件の準備期間」と考えるのが安全です。協議会の案内は国交省の物流倉庫分野のページに出る予定なので、定期的に確認してください。

受入れ見込数は、分野全体で18,300人(令和8〜10年度)。そのうち特定技能1号は11,400人、育成就労は6,900人(令和9〜10年度)で、いずれも令和10年度末までの上限として扱うとされています。

日本語の要件は?N4で足りる?

特定技能1号の日本語要件は、「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上です。運用要領では、次のどちらかで確認するとしています。

  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)でA2.2以上
  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上

つまりN4合格で要件を満たします。日本語の試験は物流倉庫の技能試験とは別に受ける必要があります。

技能実習2号を良好に修了した人は、従事する業務と技能の関連性が認められれば、技能試験と日本語試験の両方が免除されます。関連性がない場合でも日本語は免除になりますが、技能試験は受験が必要です。

候補者の日本語力の確かめ方や面接での確認ポイントは、日本語・技能・面接の確認で整理しています。

特定技能の物流倉庫でできる業務は?受け入れ要件は?

従事できる業務

業務区分は「物流倉庫」の1つだけです。倉庫内で行う入庫・保管・出庫などの作業が主な業務で、具体的には荷受け・検品、荷物の移動、保管、ピッキング、流通加工などが当たります。事務所への報告、清掃、台風前の備えなどの関連業務も付随的に行えます(関連業務だけに専ら従事させることは不可)。また、包装されていない食品に直接触れる業務には従事できないと運用要領に定められているので、食品の小分け・詰め替えなどを任せたい場合は注意してください。

倉庫の外でトラックを運転する業務は、この分野には含まれません(運転手として採用したい場合は自動車運送業分野の話になります)。

受け入れできる企業の条件

要件 内容
事業者の種類 ①倉庫業法の登録を受けた倉庫業者 ②倉庫業者が使う倉庫で倉庫内作業を請け負う事業者(倉庫業者との協定が必要) ③倉庫内作業も行う一般・特定貨物自動車運送事業者(作業料を運賃と分けて受け取る等の条件あり)
雇用形態 直接雇用のみ。派遣は送り出し・受け入れとも禁止
システム 入庫・在庫・出庫の管理機能を持つ倉庫管理システム(WMS)を使い、生産性や安全を高める連携機器・システムを継続して使うこと
協議会 在留資格の申請前に分野別協議会に加入。加入から1年以内にシステムの利用状況を報告
誓約書 国交省の参考様式(受入れ機関用・登録支援機関用)を提出
国交省への協力 調査・指導への協力、求めがあれば職歴証明の交付など

派遣の禁止に違反した場合、5年間は特定技能外国人を受け入れられなくなると運用要領に書かれています。人材会社経由で「請負」にしたい場合は、協定の中身も含めて専門家に確認してください。

各分野の協議会の仕組みは、分野別協議会の加入と手続きも参考にしてください。

受け入れ企業がやることチェックリスト

協議会の受付を待つ間にも、進められることは多くあります。

  • [ ] 自社が対象事業者か確認:倉庫業法の登録の有無/請負の場合は倉庫業者との協定を結べるか/運送事業者の場合は倉庫作業料を運賃と分けているか
  • [ ] WMSの利用状況を棚卸し:入庫・在庫・出庫の管理機能があるか、連携しているハンディ端末や搬送機器は何か(加入後1年以内の報告に備える)
  • [ ] 直接雇用で受け入れられる体制か確認:派遣スタッフの置き換えを考えている場合は特に注意
  • [ ] 任せたい業務を書き出す:入出庫・ピッキング・流通加工など、業務区分に入るかを確認
  • [ ] 候補者の受験計画を立てる:技能試験(日本海事協会)とJFT-Basic または JLPT N4 の両方。技能実習2号修了者は免除の可否を確認
  • [ ] 支援を自社でやるか、登録支援機関に委託するか決める(委託先も協議会加入が必要)
  • [ ] 国交省の物流倉庫分野ページを定期確認:協議会の加入受付の案内が出たらすぐ申し込む
  • [ ] 育成就労も検討するなら:2027年4月1日施行。初級試験・日本語A1など段階の違いを確認

育成就労を含めた2027年4月までの準備は、育成就労の準備は何から?施行前のチェックリストにまとめています。物流倉庫は育成就労の対象分野にも入っており、育成就労で受け入れた人は「1年後に初級試験」「修了前に特定技能1号評価試験」という流れになります。

ほかの分野と比べたい場合は、特定技能の対象19分野と受入れ状況を参照してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 物流倉庫の特定技能試験は日本語で出題されますか?

はい。日本語で出題され、漢字にはふりがなが付きます。日本語能力は別にJFT-Basic(A2.2以上)またはJLPT N4以上で確認します。

Q2. 試験に合格すれば、すぐに働けますか?

いいえ。合格は在留資格の許可を保証しません。受入れ企業の協議会加入や雇用契約、支援計画などがそろって初めて申請できます。2026年10月時点では協議会が設立準備中です。

Q3. 受験料はいくらですか?

実施要領には金額が書かれておらず、実施団体が国ごとの物価なども考えて決めるとされています。日本海事協会のポータルで確認してください。

Q4. フォークリフトの運転は試験に含まれますか?

実機を使う試験ではありません。フォークリフトなどの機器に関する知識や正しい扱い方を、図やイラストを使った選択式の問題で問います。実際の運転には別途、法令上の資格が必要な場合があります。

Q5. 派遣会社から倉庫に来てもらう形で受け入れられますか?

できません。物流倉庫分野は直接雇用に限られ、派遣は禁止です。請負の形にする場合も、倉庫業者との協定などの条件があるため、専門家に確認してください。

Q6. 特定技能2号はありますか?

ありません。国交省の運用要領(物流倉庫分野)に「特定技能2号での受入れを行うことはできません」と明記されています。在留期間の上限がある1号のみの受入れになる前提で計画してください。今後の改正は入管庁・国交省の発表を確認してください。

参考資料

公開時の確認日:2026年10月31日。資料の公開日・対象時点は各リンク先をご確認ください。

シロボ
シロボのひとこと

同じ前提で比べると、違いを確かめやすいよ。