特定技能のトラブルが心配・起きたときに|よくある7つの種類と、受入れ企業が先にできる予防と相談先
初めて外国人を受け入れる会社では、「言葉が通じずに行き違いが起きたら」「急に辞めると言われたら」と、トラブルが心配になるのは自然なことです。すでに困りごとが起きていて、どう動けばよいか迷っている担当の方もいると思います。特定技能のトラブルの多くは、制度で決まっていることを知り、説明と記録と相談の仕組みを整えることで減らせます。種類ごとに、確かめることと相談先を整理しました。
確認日:2026-11-08(出典はページ末尾)
- 雇用条件書と支援計画の内容を、本人が理解できる言語で説明したか、記録が残っているかを確かめる
- 3か月に1回以上の定期面談の記録を見返し、相談が止まっていないかを確かめる
- 紹介会社・登録支援機関との契約書で、支援の範囲と早期退職時の扱いを確かめる
- トラブルの内容に合わせて、入管・労働局・法テラスのどこに相談するかを決める
特定技能でよくあるトラブルの種類
| 種類 | 起きやすいこと | 制度上の決まり・確かめること |
|---|---|---|
| 労働条件・報酬 | 残業代や手当の計算、控除の説明が伝わっていない/日本人と比べた報酬の水準 | 報酬は日本人が同等の業務に従事する場合と同等以上であることが求められる(Q&A Q26) |
| 支援の不足 | 相談しても対応されない、定期面談が形だけになっている | 受入れ機関は支援計画にもとづき支援を適切に行う義務がある |
| 退職・転職 | 入社して間もなく辞めたいと言われる、別の会社へ移る | 同じ業務区分内などの条件を満たせば転職は認められている(Q&A Q13) |
| 費用の負担 | 支援にかかる費用を本人の給与から差し引いていた | 義務的な支援の費用は本人に負担させられない(Q&A Q76) |
| 契約(紹介会社・登録支援機関) | 委託範囲の認識違い、追加料金、早期退職時の返金 | 委託範囲と料金、返金条件を契約書で確認する |
| 住居・生活 | 家賃や光熱費の負担、ごみ出しなど生活ルールの行き違い | 住居の確保と生活オリエンテーションは義務的支援に含まれる |
| 届出 | 随時届出・定期届出の出し忘れ | 届出をしない・虚偽の届出は指導・罰則の対象になる |
なぜトラブルが起きやすいのか
- 説明が伝わっていない:日本語で書いた書面を渡しただけでは、手取り額や控除の理由が伝わっていないことがあります。雇用条件や費用負担は、本人が理解できる言語で説明します(報酬・労働条件・費用負担)。
- 相談の経路がない:困りごとを言える相手がいないと、不満が退職の申し出という形で初めて表に出ます。
- 委託先との役割があいまい:支援を登録支援機関に委託していても、受入れ機関の責任がなくなるわけではありません。どちらが何をするかを契約で決めておきます(登録支援機関の比較)。
- 制度の変更を追えていない:届出の様式・頻度や支援体制の要件は改正されます(届出一覧、2027年4月の支援体制の改正)。
トラブルを防ぐためにできること
- 雇用条件書・支援計画の説明を、本人が理解できる言語で行い、説明した日と内容を記録する
- 入社後すぐの時期は面談の回数を多めにし、相談を受けた内容と対応を記録する(入社後90日の定着計画)
- 給与明細の見方(控除の内訳)を、最初の給与のときに一緒に確認する
- 住居・生活のルールは、入社前の生活オリエンテーションで具体例を使って伝える(住居・生活オリエンテーション)
- 届出の期限を社内の予定表に入れる
トラブルが起きてしまったときの順番
- 本人と話す場を設け、何が起きたかを事実として聞き取る(必要なら通訳を入れる)
- 雇用条件書・給与明細・面談記録など、関係する書類をそろえる
- 登録支援機関に委託している場合は、すぐに共有し、対応の分担を決める
- 雇用契約の終了や支援の内容の変更が生じた場合は、随時届出が必要か確かめる(届出一覧)
- 自社だけで判断が難しいときは、下の相談先に早めに相談する
本人が退職を望む場合も、引き留めのために保証金や違約金を取り決めることは認められていません。転職できる条件は制度で決まっているため、話し合いでは本人の意向を尊重します。
相談先
在留手続や受入れの基準についての相談は地方出入国在留管理局へ(窓口の一覧は特定技能外国人の相談窓口一覧)。労働条件をめぐるトラブルは、都道府県労働局などに設けられている「総合労働相談コーナー」で、事業主からの相談も予約不要・無料で受け付けています。紹介会社や登録支援機関との契約トラブルは、法テラス(サポートダイヤル 0570-078374、平日9時〜21時・土曜9時〜17時)で相談先の案内を受けられます。外国人本人が使える多言語の相談窓口も、相談窓口一覧にまとめているので、本人に伝えておくと安心です。
よくある質問
特定技能でよくあるトラブルは何ですか?
労働条件や報酬についての行き違い、支援(定期面談・相談対応)が十分でないことによる不満、早期の退職・転職、紹介会社や登録支援機関との契約の食い違い、住居や生活上の問題、届出の漏れなどが挙げられます。多くは、事前の説明と記録、相談の仕組みで減らせます。
トラブルを理由に保証金や違約金を取り決めてもよいですか?
できません。出入国在留管理庁は、受入れ機関の要件として、保証金の徴収や違約金の契約をしていないことを挙げています。
トラブルになったとき企業はどこに相談できますか?
在留手続や受入れの基準は地方出入国在留管理局、労働条件をめぐるトラブルは都道府県労働局などの総合労働相談コーナー(事業主も無料で相談可)、契約トラブルは法テラスで相談先の案内を受けられます。
出典・確認日
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(Q13 転職、Q26 報酬、Q76 支援費用)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人の雇用における注意点」(報酬の同等以上、保証金・違約金、届出、支援費用、差別的取扱いの禁止)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(義務的支援10項目)
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- 法テラス(日本司法支援センター)
確認日:2026-11-08。制度・手数料・運用は改正されます。申請や契約の前に、上記の最新ページで再確認してください。
同じ前提で比べると、違いを確かめやすいよ。